この木何の木 第二回
2006/01/01
季節も夏から秋に移り変わり、山々の木々も色づいてきました。

第二回目は1回目のモミ属、トウヒ属、ツガ属に続いて、
下表の赤字で示した同じマツ科のマツ属とカラマツ属について説明します。
| 科 | 属 | 種 |
| マツ科 | モミ属 | ウラジロモミ、シラビソ、オオシラビソ |
| ツガ属 | ツガ、コメツガ | |
| トウヒ属 | トウヒ | |
| マツ属 | アカマツ、ハイマツ、チョウセンゴヨウ、ゴヨウマツ、キタゴヨウ | |
| カラマツ属 | カラマツ | |
| ヒノキ科 | ヒノキ属 | ヒノキ、サワラ |
| ネズコ属 | ネズコ(クロベ) | |
| ビャクシン属 | ビャクシン、ネズミサシ | |
| スギ科 | スギ属 | スギ |
| イチイ科 | イチイ属 | イチイ |
| カヤ属 | チャボガヤ | |
| イヌガヤ科 | イヌガヤ属 | ハイイヌガヤ |
1. 属の同定
マツ属とカラマツ属はマツ科の中でも写典型的な針形の葉を持っています。 (針形葉の葉はこれら以外にもビャクシン属のネズミサシがあります) 葉は長枝と短枝についていますが、長枝には両方ともらせん状につきますが、 短枝へのつき方に大きな特徴があります。カラマツ属は写真1の様に20~30本の柔らかい針葉が短枝に束生します。しかし、マツ属は写真2の様に2~5本の針形葉をつけています。


写真1 カラマツ属
写真2 マツ属
2. 種の同定
カラマツ属は日本国内ではカラマツ一種のみなので迷うことはありません。 又、カラマツは針葉樹の中では写真3の様に唯一黄葉する落葉樹です。
(他に公園や学校等に植栽されている中国原産のスギ科メタセコイア属のメタセコイアがあります)

写真3 黄葉のカラマツ林
一方、マツ属には5種ありますが、針形葉の葉の数が種を区別するキーポイントです。マツ属には2葉生、3葉生、5葉生の3種類がありますが、3葉生は写真4のような中国原産のハクショー(別名:シロマツ)があり公園や神社に植えられていますが、 自然の森にはありません。4葉生の種はあまり聞いた事がありません。多分無いと思いますが。

写真4 3葉生
従ってマツ属には写真5の様な2葉生のクロマツとアカマツの2種。 写真6の様な5葉生のゴヨウマツとキタゴヨウ(別名:ヒメコマツ)とチョウセンゴヨウとハイマツの4種となります。(クロマツは北信地域には自生しませんが、庭園等に多く植栽されているため含めました)


写真5 2葉生
写真6 5葉生




写真9 球果
写真10 針形葉
第二のポイントは球果と葉の大きさです。写真9の左側のチョウセンゴヨウの球果は9~15cm、右側のキタゴヨウは6~11cmです。 又、葉も写真10の左側のチョウセンゴヨウは8~10cm、右側のキタゴヨウは5~8cmとなっています。
写真9と10の通りチョウセンゴヨウは5葉生マツ属で最大の球果と葉を持っています。その他の特徴としては、キタゴヨウとハイマツの種子の周りには小さな翼が認められますが、チョウセンゴヨウには翼がありません。 又、ハイマツの球果は成熟しても種鱗を開くことはありません。
このため、他のマツが風や重力による種子散布を行なうのに対して、ハイマツの種子散布はリスやホシガラス等の小動物により齧られた時落ちたものが芽生えられると言う動物散布となっています。

